不軽山 荘厳院 香仙寺


忍ぶもの一生の宝


 平成2年この香仙寺の地にやってきた私は、若干23歳!先代住職は、私がここへ来たその日に遷化されました。全く引き継ぎもないなかでの、スタートでした。
 何から手をつけてよいのやら、分からないなかでの生活は、不安ばかりが先行してきます。お檀家の方も全く知りませんし、お名前も地理も住所も分からないんですから、そりゃ大変でした。
 実家(青森優婆寺)の祖父がそんな私に、この言葉「忍ぶ者一生の宝」を書いて渡してくれました。初めはなんのことやら理解できませんでしたが、とても、つらい事ばかりが続いた時、この言葉が目に飛び込んできました。
 ある種ショックを受けた気がしました。自分に余裕もなく、自信もなく、目先の事ばかり考えてなんの進歩もない、自分がつらいのは、人のせいにし努力を惜しんでいる。 良い事ばかりでは無い、悪いこともある人生の中には、耐えなくてはならない時期もあるそんな時、ただ漠然と生きるのか、ただその時期が通りすぎるのを待つのか、いやそうではない、苦しいこの時だからこそ耐え忍ぶのだ、耐え忍ぶなかで自己の研鑽を怠ってはならない、今だからこそやらねばならないことがあるのだ。「忍ぶ」刀と心を使った字である 刃物は常に研いでいないと錆びてしまう、心だって同じ事である。心の研鑽を積んでいく、それが私の人生を実りあるものにしていくのだ。