不軽山 荘厳院 香仙寺

施餓鬼会大法要


仏教の教えの中心は「縁起」です。これは「ものごとは色々な条件による集まりである」ということで、宇宙も地球も私たちの生命も人間関係も、すべて諸条件が調和したとき初めて成り立ちます。これが「おかげさま」です。「おかげさま」を忘れ、自分ひとりの力で生きていると錯覚する狭い心、それは「餓鬼」の心に通じます。

お施餓鬼会は、そういう狭い心を開き「心の餓鬼」を救う法要であり、その心の狭さから解放されたとき、亡き人も、生きているお互いも心の安らぎを得ることが出来ます。餓鬼とは物も心も満たされない鬼です。この鬼に施しをするのが「施餓鬼」です。「施し」といっても、ただ他人に物を与えるということも「施し」ですが、更に純粋な「施し」とは、「自分にとってかけがえのないものを他のために役立て、捨てる」ということであり、困っている人の苦しみ悲しみを見て施さずにはいられないという「施し」こそ本当の「施し」になるのです。

それは、自分のためになる身内や、その他いわゆる「有縁の関係」を越えた縁、即ち「無縁」に対する施しが施餓鬼会の心であり、その功徳を各家ご先祖代々の諸霊に回向するのが施餓鬼会法要であります。

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